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横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校・附属中学校の7つの魅力

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横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校は、京浜臨海部研究開発拠点「横浜サイエンスフロンティア地区」の静かな一角にある公立の理数科高校です。文部科学省から「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)」及び「SGH(スーパーグローバルハイスクール)」のダブル指定を受け、さらに横浜市教育委員会からは「進学指導重点校」に指定を受けている実力派の人気校です。2017年度には附属中学校が開校し、その教育内容の充実にますます期待が高まっています。今回はこの横浜市立横浜サイエンスフロンティアの附属中学校の魅力についてまとめていきます。

 

アクセスと沿革

アクセス

所在地:横浜市鶴見区小野町6番地

アクセスは「JR鶴見線 鶴見小野駅」から徒歩3分です。
又は「京浜急行 花月園前」駅より徒歩10分程度で歩けます。鶴見小野駅が最寄りですが、朝などは非常に混雑しますので、京急が使える人は、花月園前からのルートもおすすめですね。

 沿 革

横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校は2009年に設立されました。日本で初めて「サイエンス」という冠をつけた理数系の高等学校であり、「驚きと感動による知の探究」を教育の理念としています。

先端科学技術の知識を活用して、世界で幅広く活躍する人間の育成を目指し、「科学技術顧問」として50人を超える大学・大学院や企業の研究者等外部専門家のサポートを受けています。設立予算95億円という事からも横浜市の力の入れようが分かりますね。

2010年に文部科学省からスーパーサイエンスハイスクールの指定を受け、2012年には横浜市教育委員会から進学指導重点校に指定されました。その後、2014年に文部科学省からスーパーグローバルハイスクールの指定も受けています。通称は、「YSFH」又は「サイフロ」などです。

2017年、中高一貫の附属中学校として横浜フロンティア高校附属中学校が開校しました。初年度となる2017年は男女各40名の募集に対して、男子11.3倍、女子5.9倍の応募がありました。

 

概 要

設置形態

まず、神奈川の公立中高一貫校には以下の3つの形態があります。

①中等教育学校:
一つの学校として、一体的に中高一貫教育を行うもの。

②併設型の中学校・高等学校:
高等学校入学者選抜を行わずに,同一の設置者による中学校と高等学校を接続するもの。

③連携型の中学校・高等学校:
市町村立中学校と都道府県立高等学校など、異なる設置者間でも実施可能な形態で、中学校と高等学校が、教育課程の編成や教員・生徒間交流等の連携を深めるかたちで中高一貫教育を実施するもの。

このうち横浜サイエンスフロンティアの附属中学校の設置形態は「併設型」です。

中学からの募集は県内で最も少ない2学級(80人)募集で、高校からの募集が4学級(160人)です。現在、横浜サイエンスフロンティア高校は1学年6学級、計18学級の展開ですから、そのうち2学級分が附属中学からの生徒(内進生)となります。

 

教育方針

先端的の科学や技術・技能を活用し、グローバルリーダーとなる「サイエンスエリート」を育成することを目標に掲げています。具体的には、以下の3点です。

①グローバルリーダーたる「サイエンスエリート」の育成を目指す。
②論理的頭脳、生きる智恵、社会に貢献しようとする志、社会の形成者としての品格、健やかな心身を養う。
③「サイエンスの考え方」「豊かな社会性や人間性」「グローバルリーダーの素養」を身につけた生徒を育成。

附属中学校の学習は、「勉強しなさい。」からは入らないそうです。では何から始めるかというと「驚きと感動」です。そして「知の探究」に目覚め、そこから本格的な勉強が始まるというスタンスです。まさに理想的ですね。

 

施設・設備

高校設立時に横浜市が95億円を投入しただけあり、素晴らしい施設と設備を誇っていて、総床面積25,505㎡を誇る校舎は、本物のサイエンスを学ぶのに適した学習環境となっています。

学習棟には先端科学技術の実験室(生命科学実験室、ナノ材料創製室、環境生命実験室)や情報教室、プレゼンテーションスタジオなどの特別教室、天体観測ドームなどの施設、生徒用のPC400台、電子顕微鏡などの実験器具が配置されています。また、これらの学習設備には、冷暖房や校内無線LANが完備されていて快適です。

交流棟には、柔道場・剣道場、カフェテリア、アリーナ、屋外プール、370人収容のホールなどがあります。

さらに敷地内には、東京大学大学院理学系研究科附属植物園から寄贈されたニュートンの樹とメンデルのブドウの樹、ネイチャーから寄贈された月桂樹の樹が植えられています。こんな環境で学習できるなんて、うらやましいですね。

 

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中学校の学校行事

中学校での主な行事は以下の通りです。

・体育祭(6月)
・蒼煌祭(文化祭、9月、中高合同で公開)
・4月に宿泊研修(1年)
・宮古島研修(2年)
・10月に東京散策(2年)
・研修旅行(3年)など。

 

中学校の部活動

高校生と一緒に16の部活動が活動しています。平日週3回、休日は土・日のどちらか半日で、年間を通して18時までの活動です。(部活動の種類は1年ごとに更新されるので、毎年同じではありません。)

●運動部5部活
テニス部、バドミントン部、水泳部、陸上部、男子バレーボール部

●文化部11部活
英語部、音楽部、茶道部、天文部、写真部、文芸部、数学・物理部、理科調査研究部、航空宇宙工学部、情報工学部、棋道部

 

横浜サイエンスフロンティアの7つの魅力

さあ、いよいよここから、横浜サイエンスフロンティアの魅力について語っていきます。中高一貫校ですから、高校での内容も含んだ形で紹介していきますね。

1.目指すのは「グローバル・リーダー」の輩出

サイエンスフロンティア校の理念は、「サイエンス」の広い素養や論理的思考力、そしてコミュニケーション力を身に付けた子どもたちを育てることです。先端科学技術の知識を活用して世界で幅広く活躍する人材の育成を目指しています。
ここでいう「サイエンス」とは単なる「理系科目」といった意味ではありません。もちろん、理数科の高校であるので主体は理科・数学・情報といった自然科学の分野です。しかし、同校の「サイエンス」という言葉には、理系科目だけに限定せず、社会科学・人文科学なども含めた幅広い教養を身に付けてもらいたいという考えも根底にあるのです。
たとえ「サイエンス」の力を身に付けたとしても、自分一人だけでは何もできません。だからこそコミュニケーション力、言葉の力も一緒に培うことが重要であり、SGH(スーパーグローバルハイスクール)としての取り組みは、ここに意味を持つのです。

2.常任スーパーアドバイザー

サイエンスフロンティア校では、先端科学研究分野における優れた功績を有する方が、スーパーアドバイザーとして参画し、教育方法などについて指導助言を行ってくれています。また、5人のスーパーアドバイザーのうち、1人は常任スーパーアドバイザーに就任します。

初代常任スーパーアドバイザー和田昭允氏でした。名前だけのスーパーアドバイザーではなく、週1回来校し、生徒と直接対話する「和田サロン」を開いていました。1クラス40人を2つに分けて20人ずつ、6クラスありますから、12回開催されます。紅茶を飲みながら、クッキーをつまみながら、サイエンス談義をするそうです。

これは、欧米の大学では「アフタヌーンティー」といってよく行われていることのようですが、日本では画期的ですよね。「鉱物の結晶」「細胞のつくり」「生物の進化」などテーマは多岐にわたるそうです。こんなすごい先生と、鶴見川に面したリバービューラウンジでアフタヌーンティーを飲みながら、たっぷりサイエンス談義を聞くことができるなんて、ものすごく贅沢!

2019年度からは、浅島誠氏が常任スーパーアドバイザーを後任し「浅島サロン」となって引き継がれているそうです。

ちなみにサロンの壁には、アインシュタインの言葉を日本語に直した額が掛かっています。「想像は知識に比べて重要である」という言葉です。必要であり、かつ求められているのは知識ではなく想像力なのですね。そしてその想像力の芽をこういったサイエンス談義の中で育てているという事なのでしょう。

3.サイエンスリテラシー

同校の教育内容の特色の目玉であり、「サイエンスの力」と「言葉の力」を身に付ける、その象徴の一つが「サイエンスリテラシー」という授業です。1・2年次の必須科目であり、週2時間行われています。SSH学校指定教科ですね。

実際にどんなことをしているのでしょうか。

まず、1年次では、大学の先生や研究者、スーパーアドバイザーの方から直接講義を受けます。この講義では、科学を学ぶ者の心構えやプレゼンテーションの技法などの情報リテラシーを学びます。

そして、2年次には、先端科学技術分野の実験・実習を少人数グループで体験します。30近くあるプログラムの中から興味のあるテーマを選択し、多くても7人程度の少人数ゼミで、年間を通じて研究を行います。

そして、この「サイエンスリテラシー」での研究成果を2年次の海外研修においてポスターセッションで全員が発表するのです。もちろんポスターの文章はすべて英語。生徒たちは1カ月近くもかけて、難しい専門用語も扱いながら、自分たちの研究成果をポスターにまとめていきます。また代表者はマレーシア科学大学にて口頭発表も行うそうです。すごいですね。

 4.DEEP学習

 中学3年間の授業時間数は国語・数学で140時間、英語で105時間、理科で35時間となっています。一般の公立中学の標準時間数よりもずいぶん多いですね。1日の時間割は高校の授業時間と同様で、1 ・ 2 ・ 4校時が50分、3 ・ 5校時は95分。高校生と活動時間をそろえることで、高校生と共に学ぶ時間を作っているそうです。そして中1生からすべての教科にDEEP学習を取り入れ、探究力を育てる授 業を行っていることが大きな特徴です。

「DEEP学習」とは、次の4つの単語の頭文字をからつけられた名称です。

Discussion:考察・討論(物事を正確に捉えて考察し討議する)
Experiment:実験(仮説を立てて論理的に実証する)
Experience:体験(フィールドワークなど実体験から学ぶ)
Presentation:発表(自分の考えや意見を正確に伝える)

課題研究が教育活動の中心となるYSFHならではの授業ですね。時間数が多い分を 「深掘り」に充て、教育方針である「驚きと感動に よる知の探究」を実践しています。

例えば、数学なら公式を学ぶだけでな く、その公式が導き出されたきっかけなどについて も深めていきます。生徒たちに多くの「気づきの学 習体験」を積ませ、探究型の学習に中学校からつな げていく、そんな授業展開なのです。

5.SS(サイエンススタディーズ)

さらに附属中にもSS(サイエンススタディーズ)という独自の時間が設置されいていて、課題研究の基礎基本も学んでいます。この中で生徒は、自分で決めたテーマを基に、自然科学や社会科学の自主研究などの主体的活動を行います。自分の興味関心から研究テーマを設定する力、主体的に自分の課題に取り組む力、人に伝える・伝わる「言葉」「プレゼンテーション」の力を中学生のうちに獲得してほしいという考えが、カリキュラムに反映されているのですね。

これは高校のサイエンスリテ ラシーやグローバルスタディーズにつながります。グローバルスタディー ズは、アジアを中心とした地域の環境保護や持続可 能な開発についての課題を、社会学や経済学、教育学、国際ビジネスなどの視点から探究していくプロ グラムで、ワークショップやプレゼンは英語でも行います。いやいや、本当にすごい。

実験や実習、実技を中心とする内容だからこその95分授業。50分では細切れで中途半端になってしまいますから、長時間授業が設定されているのです。

6.FT(フロンティアタイム)

フロンティアタイムは、生徒一人ひとりの豊かな感性を育み、自主的に自分自身を開拓、磨く取り組みです。探究している課題について教職員と共に学んだり、創作活動な どにじっくり取り組む、読書では、時には中学生向 けの本だけでなく専門的な本にも触れてみる、企業 や研究機関での体験を通して自分自身の興味・関心 に気づき、進路をデザインする、などの活動を行っています。生徒たちが自主的に取り組むような仕掛けづくりの一つのようですね。

7.土曜日の活用ときめ細かい学習指導

授業は週5日制です。土曜日は通常の授業は行われませんが、土曜講習というのもが行われています。これは、希望者を対象にした苦手科目の克服講座、更に得意科目がある
生徒には発展講座なども用意されています。もちろん夏休みには夏期講習もあります。

さらに高校では土曜日にサタデーサイエンスサタデーヒューマンスタデ ィーズをはじめとする様々な取り組みがあります。そして、これらの取り組みには中学生も参加することができます。

サタデーサイエンスは先端科学を体験する場で、科学技術顧問の先生による実験や校外フィール ドワーク、サイエンスに関するフォーラムなどを行います。サタデーヒューマンサイエンスは、 大学や国際機関、企業などからグローバルに活躍する方々を講師に迎えての講演やシンポジウム、ワークショップなどが実施されています。

まさに、「次代のパイオニアを育成するにふさわしい環境がここにはある」、そう感じます。

また、日常のコツコ ツとした教科の学習がおろそかにならないように、生徒一人ひとりの学習到達度は常に教員が把握し、手遅れにならないように、面談等で指導するだけで なく、臨機応変にフォローアップの補習等も行われます。 1学年80人ですのできめ細かい対応が可能です。また、言語活動を中心に授業を行うため、教科に応じて授業を少人数制にするなど、生徒がのびのびと学習できる場を作っているのが特徴的です。

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大学合格実績

まだ附属中学校からの入学者は卒業していませんので、ご紹介するのは、横浜サイエンスフロンティア高等学校から入学した2019年の卒業生の数字です。

まず、国公立大学の合格数は120(現役89)。

合格率で考えるとこれはかなり高いですね。

東大への合格数数は5!(現役2)
東京工業大学10(現役9)、一橋大学2(現役1)。早慶上理への合格者数は115(現役70)となっています。

上位大学(国公立+早慶上理)の合格者は235となり、これは卒業生の数とほぼ同数です。

合格者が多い国公立大学は、横浜国立大学、東京工業大学、横浜市立大学。地元&理系志向が強いのですね。横浜市立大学には推薦入学の制度もあります。

詳細は横浜サイエンスフロンティア高等学校のHPに掲出されていますので、ご確認ください。

進路状況 - 横浜サイエンスフロンティア高等学校

 

まとめ

横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校・附属中学校の魅力についてまとめてみました。現状は3:1で男子の方が女子よりも多いようですが、やっぱり理系を好むのは男子の方が多いのでしょうか。とにかく理系科目が好きなら、最高の環境であることは間違いありませんね。中学からの入学は横浜市内からだけですが、高校からの入学は横浜市外からも受験できます。平成24年度入試から「全県学区」となって「市外30%枠」も撤廃されました。そして高校からも4クラス分入学できますから、中学受験に出遅れた人にもチャンスがありますね。
天体観測ドームの日本に2台しかないとされている大口径の望遠鏡、3Dプリンターなど普通の公立高校にはない設備は本当に魅力的です。「STEAM教育」の推進など、これからの日本は、理数教育に力を入れようという流れにありますから、横浜サイエンスフロンティアへの注目や期待はますます高まっていくでしょう。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

※ 記事内の情報の正確さには万全の注意を払っていますが、誤りがないことを保証するものではありません。学校主催の説明会やHP等で常に最新の情報を確認してください。